2013/10/28

日本語


私のクラスには、外国人が計4人います。

一人はギリシャから。
そして、私、日本から。
後の2人は中国人です。
 
クラスのロシア人たちに言われる事。
「日本語と中国語って通じるの?」

その度に、中国語は読める字もあるけど、話されても通じない。と言っています。

ロシアのご近所ウクライナ。
ウクライナにはウクライナ語というものがあります。

ロシア人にとって、ウクライナ語は似てる単語が多く、
話しても意味は分かることが多い様です。

なので、日本語と中国語のように、「書けばわかるけど、話しは分からない」
というのは、すごく不思議なようです。



先日、先生も不在だったときに、デッサンを描き終えた子たちと話していました。
そのときに、日本語の話にもなり、「日本語には3種類の形がある。」
といったら、大変驚かれました。

ろしあ
ロシア
露西亜

と書いたら、「これにも書いて!」とノートを渡され、
クラスメートの名前を日本語でかいたら、写真をとり、
「わたしの名前は○○です。」を、ロシアのアルファベットで書いたら、
すごく興味深そうにノートに書き写し練習してくれました。

そして、今度日本食を作ってみんなで食べようという話になりました。


私は、日本が好きだけれど、ここはロシアなのだから、
「日本が〜」「日本は〜」という気はありません。
 それでも、こうやって自国に興味を持ってもらえるというのはとても嬉しい事です。


もっと、クラスメートとも色んな話ができるようになるといいな〜。

 

2013/10/26

ロシアのロは労働嫌いのロに違いない!


この一週間ほど、急激に気温が下がってきました。
5度前後の日が続いています。

去年は今の時期でも全然スカートだったので、今年はずいぶん寒いのかな?


さて、約3週間かかり、日本から書類が届きました。
emsです。emsです。emsなのに、何事…。

追跡番号で調べたら、日本語ページでは発送から5日後くらいには
ロシアにとっくに到着していました。
税関も通り、その後はお得意の保管。(保管っナニソレ美味しいの?)

ロシア語ページでみたら、なんじゃこりゃ。

技術問題で配達不可。が2週間。
技術問題ってなんやねん。
そしてとうとう、3週間後には宛先不明になっておりました。

注:送り先住所確認したけど、合ってる。


コールセンターに電話しても誰もでないし。
コールセンターの意味…。

近所の郵便局も行ってみたけど、受付のお姉さんに、
「何処にあるかなんてわからないわ。それに、ems配達員はお金もらってるけど、働かないから。」って堂々と言われました。

なんじゃそりゃ!!

結局、なんでかわからないけど配達はしてくれないみたいで、
ちょっと遠くにある大きな郵便局で自分で受け取りに行く事に成りました。
(宛先にしてしまったサーシャには本当に申し訳ない事をしました…)

emsなのに、高いお金払ってるのに、家まで配達しないなんて。

まじロシア。笑
どこまでもロシア。

21世紀現在、 ほんとに、ロシアってこんななんです。


そんなこんなで、一応なんとか無事に書類受け取れました。

次は、事務室に提出です。
一筋縄ではいかない彼ら。
きっと、あーだこーだと言われ、また色々しなくちゃいけないんだろうなあ…

聞かれるであろう事、言いたい単語を調べてカンペして右手に隠し持ち、
 いざ事務室に出陣!と気合い入れていったら、
「担当の人が不在だから月曜日に来て」と言われました。

この、出鼻挫かれた感…っ!!

許すまじロシア!笑
働け!働け!働け!
と叫んで回りたい気分です。


〜番外編〜

ロシア人に、「私は日本人です」というと、高確率で言われる事。

レベル1 「スシ!サムライ!フジヤマ!」

レベル2 「え!日本人!?すごい!初めてみた!」


レベル3「日本人ってみんなすごく働くんでしょ?それ本当?」

一言いいですか。
そんなの知らんがな。笑


2013/10/22

натюрморт


アカデミーでは、空いた時間(休憩時間とか、自主練とか)に静物画を描きます。

こんな感じで、配置とかコントラスト決めてセッティング。



アカデミーの方針はとにかくコントラスト。
同じ白でも、暖色なのか寒色なのか。
暗いのか明るいのか。

とにかく、そんなことを考えて色をつくります。


ロシア語で静物のことをнатюрморт(ネチュルモルト)と言います。
英語はstill life 。


かねてから、still lifeの語源について疑問を抱いていたので、調べてみました。

現代美術用語辞典より

語源的にはゲルマン語系(ドイツ語、英語など)と、ラテン語系(イタリア語、ロシア語など)があるそうです。
ゲルマン語系では、stilleven(動かざる生命)と呼ばれ、物事の静止性に重点を置いているのに対して、ラテン語系では、18世紀イタリアの造語で、natura morta(直訳すれば「死せる自然」)と呼ばれ、肖像画、歴史画などnatura vivente(生きている自然)に対して、蔑称とされていたようです。

おもしろいな〜。
「死せる自然」か。
さすが、イタリアというかなんというか。オペラの国だけある。笑
発想が詩的。


それにしても、外国語って不思議。
イタリア語のnatura mortaって、
naturaだけだったら『自然』、mortaだけだったら『死』を意味するわけですよね。

違う意味の二つが合わさったら『静物』って意味になるんだもんな〜。笑

あ〜、語学って大変だ。(´◎ω◎)


2013/10/20

ミツバチのささやき[1973]


「なぜ怪物はあの子を殺したの?なぜ怪物も殺されてしまったの?」
 

















監督:ビクトル・エリセ
出演:アナ・トレント、イザベル・テリェリア、フェルナンド・フェルナン・ゴメス...


1940年代、内戦終戦直後のスペイン。
少女アナの暮らす小さな村に「フランケンシュタイン」の巡回映画がやってくる。
フランケンシュタインの怪物に魅せられたアナは、
姉の「村はずれの廃屋に怪物がいる」という嘘を信じ込んでしまう。
ある日、怪物を探しに廃屋を訪れたアナは、そこで脱走兵と出会うが…。




この映画は、内戦直後、混乱の最中にあったスペインが舞台で、
政治批判を色々な暗喩で表現しているらしいのですが、
わたくし、残念ながら無学なもので、スペインの内戦に精通しておらず、
この映画を理解出来たとは(全く)言えません。

スペイン内戦についてもっと勉強してから観ていればな〜と後悔中。


それにしても、主人公アナが可愛すぎて可愛すぎて。

アナの目線で綴られるこの映画。

私はどちらかというと、アナの姉イザベルのように早く大人になりたがっていたので、
こんなに可愛く純粋な時期があったかは分からないけれど。笑

けれど、幼少期を振り返ると、
確かに世界って途方もなく大きくもあり、ものすごく小さかった気もする。

眼前に果てしなく広がる荒野。
耳を澄まして聞こえてくる虫や鳥の声がやけにクリアで。

けれどそんな大きな世界に反発する様に、自分の世界はひどく小さかった。
世界といえば、家と学校が全てで。

だからこそ、行った事のないところへ行ったり、
知らない人と知り合うことは大冒険のような気がしていた。

現実と空想の違いも分からず、色んな境界線があやふやで、
もっと色々なものが純粋に混じり合っていた。

理論や常識という概念もなく、世の中の理不尽さに腹を立てたり悲しんだりもしていた。


子供だからこそもっている、世界観。
自分の中のルールというものがあって、純粋と同じくらい潔癖だった気がする。

幼さだと一笑される様なことも、本人にとっては立派に自分の世界。
そんなアナの世界に、大人たちが土足で足を踏み入れたとき、
完璧だった彼女の世界が壊れてしまったのかもしれない。


現実を知る。というのは、通過儀礼の様なもので、
大人になる前に誰もが一度は「現実を思い知った」ことがあると思う。

それはひどく残酷なようで、今になれば仕方ないとも思える。

むしろ、現実を思い知ることで、『現実』が身近になる。
そうして初めて、『現実』と『空想』の線引きがはっきりされるのだ。



現実に疲れてしまった大人は、果たして空想に浸るのだろうか。
いや、むしろ空想さえせず逃げるだけなのかもしれない。

劇中の父親然り、母親然り。


父親はミツバチの研究に夢中で、論文(?)を書いている。

「このガラス製のミツバチの巣箱では、蜂の動きが時計の歯車のように見える。
巣の中で、蜂たちの活動は絶え間なく、神秘的だ。
乳母役の蜂は蜂児房で狂ったように働き、他の働き蜂は生きた梯子のようだ。
女王蜂はらせん飛行。
間断なく様々に動きまわる蜂の群れの報われることのない過酷な努力。
熱気で圧倒しそうな往来。
房室を出れば眠りはない。幼虫を待つのは労働のみ。
唯一の休息たる死も、この巣から遠く離れなければ得られない。
この様子を見た人は驚き、ふと目をそらした。その目には悲しみと恐怖があった――」

母親も内乱で別れた昔の恋人なのだろうか、届くかも分からない手紙を必死にしたためる。

「誰もが幸福だったあの時代は戻りません。
神様が再会させて下さることを祈っています。
内戦で別れてから毎日祈っています。
この失われた村にフェルナンドと娘たちと生きながらえながら、
この家も壁以外はすっかり変わりました。
中にあったものはどこに消えたのか――。
ノスタルジアで言うのではなく、そんな思いなど持つどころではないこの数年でした。
身のまわりの多くのものが失われ、壊され、悲しみばかりが残っていきますが、
失われたものと一緒に、人生を感じる力も消えたように思います。
この手紙はあなたに届くのでしょうか。
外からの知らせはわずかで混乱しています。
あなたが無事でいることを知らせてください。心を込めて。」


受け入れる事も立ち向かうこともままならず、現実の厳しさから目を背ける。
逃げる事を、汚い大人、弱い大人と罵る人もいるだろうが、
疲弊した心に、夢も希望も生まれない。

劇中に出てくる詩が、疲弊した大人たちの心を、
ひいては当時のスペインの心を表していると思う。

もはや、怒りも軽蔑もない
変化の恐怖もない
渇きがあるのみ
あまりの渇きで死にそうだ
命の流れよ、どこに進む?
清らかな大気がほしい
暗い深みには何がある?
何を震え、何を黙る?
私に見えるのは、目の見えぬ人が陽の下で見るものだ
二度と起き上がれぬ奈落に落ちる

 (これは、19世の女流詩人ロサリア・デ・カストロの詩らしい。)


傷ついた心を癒せるのは何なのだろうか。
どうしたら現実を受け入れることができるのだろうか。
時間が解決してくれるのだろうか…


最後にアナが窓際に立ち、「わたしはアナよ」と呟くシーンがある。
これは、精霊(フランケンシュタインの怪物)を呼ぶ言葉でもあるが、
映画前半とこの最後では、同じ台詞でも正反対の意味になるのではないかと思う。

自分の名を呟いて、アナは『現実』への扉を少しだけ叩いたのではないだろうか。

2013/10/18

自主勉強


金曜日になりました。
明日はウキウキもなんもしない土曜日です。笑

アカデミーは土曜も授業がある、というのは前にも言った通りなのですが、
土曜の授業以外にも、学生の自主勉強があります。

↓はその予定表。
月曜夜、水曜夜、木曜夜、金曜朝、土曜朝、夜。
に、各自残って絵を描きます。

授業では毎日5時間描いてるのに…
ほんと、すごい情熱だと思う。
 


アカデミーの油画科は写実です。
↓こんな感じでモデルさんがずっとポージング。
モデルさんも、1日中ずっと同じポーズって辛いだろうな〜。

モデルさんの奥に見える絵も、うちのアカデミーの生徒の作品です。
優秀な作品は、後輩達のお手本になります。



〜番外編〜

手すりのない階段。

よくあるよくある。

ってないわ!

この階段が教室から一番近いお手洗いに行く道なのだけど、
今は工事中で通れず、校舎を反対側にぐるっと回ります。
おかげで、お手洗いに行くのに10分はかかる。笑


2013/10/13

カオナシ


紅葉の季節になりました。





鮮やかな黄色に思わずため息。
秋が一番好きな季節です。

もうすぐ全部落ち葉になってしまうかと思うと、少々悲しいですが、
刹那的な美しさにノスタルジーを感じます。


さて、今日は土曜日。
授業いってきましたよ。笑

我らがアカデミーは土曜日も授業があります。

アカデミーの生徒たちは、三度の飯より絵!って人が多く、
授業が始まる前も終わった後も、各自で絵を描いています。
休憩時間も描いています。

本当に、その熱意がすごい。

果たして自分はそこまで情熱を傾けられるのだろうか…。
しょぼーん。

熱意といえば、私の友人にも熱意溢れる人がいます。

彼女も同じアカデミーの美術史専攻。
ダリアといいます。





ロシアでは、ダリアはダーシャというあだ名になります。

マリアはマーシャ。エカテリーナはカーチャ。
アレキサンドルはサーシャ。
アレクセイに至ってはリョーシャ。なんでやねん。笑

彼女は、アカデミーで第2外国語で日本語専攻です。
なんでも彼女の愛読書は三島由紀夫だそうで、
今回、日本語原文の三島由紀夫『春の雪』をプレゼントしたら大層喜ばれました。

彼女曰く、日本語の羅列はとっても綺麗だそうで。

同じ年代の日本人でも三島作品を読んだ事がない人が多い中、
彼女の知識欲、探究心には脱帽です。

 わかってはいたのだけれど。
あーだこーだと理由をつけて本腰入れていなかったロシア語。
死なない程度に死ぬ気でやろう!と決意新たにしました。

家族や友人への愛に言葉はいらないけど、
その愛に達する前には言葉は必要不可欠だな、と。
わかってはいたのだけれど。笑

絵もロシア語も頑張るぞ〜><!!!!


次回は他の友達も含めて、日本食会をするのだ!


〜番外編〜

ダリアと遊んだ日に、彼女の友達リザの家に突撃訪問した。

そこで出てきた2年前のハロウィーンの変装道具。
リザがした変装はカオナシ。
数あるキャラクターがいるなか、変装にカオナシを選ぶ彼女。
「だって、カオナシがすごく好きなの」
と、頬を染める彼女に、恋する乙女か!と突っ込んだのは置いといて、

どう、似合う?




〜番外編の番外編〜

うっ苦しい…

2013/10/04

アパート


引っ越しました。
綺麗なところです。
学校から近く、非常にいい物件です。

近日中に写真のせます。

ロシアで一人暮らしをしたいとき、クバルティーラという俗にいうアパートと、
コームナタと呼ばれる部屋貸しの、大まかに分けて二種類あります。

コームナタというのは、入り口、バストイレ、キッチンを共同で使う、
いわばシェアハウスのようなものです。
 ロシアの若者にはポピュラーな形態で、
非常に安く住める反面、プライバシーの問題もあるようです。


ロシアで家(部屋)探しをするときは、 もちろん不動産を通す方もいますが、
知り合いの知り合いの知り合い…という風に、人づてに探すほうがいいそうです。

というのも、ロシアでは大家さんとのトラブルが非常に多いそうで。
(1週間外泊してたら自分の部屋に別の人が入居してた、とか。)

どこかで繋がっている、というのは貸す方も借りる方も安心感がありますね。


かくいう私も、知り合いに紹介してもらいました。

今まで、1時間ちょっとかかっていた通学時間が15分に短縮されました。
な、な、なんて素敵!!!!

ストレスが半減されそうです。笑

しかし、問題が…
wi-fiが使えない。笑

大家さんも私もアナログな人間なもので、ルーターとかはあるんですが、
いまいち方法がわからなくて困っております…

今は、自分のケータイをアクセスポイントにしてネットに繋いでいますが、
どうも回線が遅くて…

早く、使えるといいなあ。。。
 気長に待ちます。


さて、明日は土曜日。
けど授業あります。

ああああああああ、なんてロシア。


2013/10/02

入学式


今日は10月1日。
アカデミーがとうとう始まりました。

11時に学校集合で、入学式。
学長やその他の教授がお話をします。
ノロノロと教授方が入場してきたかと思えば、
ところどころ笑ったり、ロシアらしい(笑)式でした。

教授方はみんな、「君たちは素晴らしい道を選んだ」「勉強して、勉強するんだ」
「大変だけど、とにかく一生懸命やりなさい」と口を揃えていいます。

ロシアのアカデミーは、『学ぶ』という観点から見ると本当にストイックで、
教授も真剣に心から教えてくれるし、それこそ生徒達も死に物狂いで勉強します。

大学は学ぶ場である、という意識がしっかりしているように思います。


さて、式が終わり、学部ごとの集まりも終わり、次はクラスの顔合わせ。

私のクラスは外国人が4人。
パドクラスでも同じだったマリレナも一緒です。
ひゃっほい!

ロシア人は8人くらい。
少人数で教えるようです。

年齢層は相変わらず様々で、下は(多分)18〜19才、上は30才以上。

早速クラスの教授が、
「12月にはアップホットがあるから、とにかくコンポジやりなさい。時間はないんだ!」と言っておりました。
 
顔合わせのあとはクラスの掃除して、お昼。

そしてなんと!!!
5時から7時まで解剖学の授業!!

まじでか!!

と心の声が出てしまうくらいには驚きました。
初日から早速授業です。
しかも解剖学なんて専門用語ばりばりで全部ロシア語。

ほんと、勉強しなきゃ…

まるで砂漠でキャラバンに置いてけぼりにされた気分です。
果てしなく広がる、未知の言葉の数々…

「今年は、無理せず自分のペースで勉強する〜てへっ」
なんて言っていた、一週間前の自分を殴りたい気持ちでいっぱいです。

結論。
今年も寝れない日々が続きそう。